転職エージェントとの面談を成功に導くポイントとは?
転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーがつくとまず行われるのが面談です。
ヒアリングシートに記入した内容の確認や掘り下げもあれば、趣味やプライベートなど一見転職には関係なさそうなことを聞かれることもあります。
転職エージェントの面談は、何を目的としているのでしょうか。
また、転職希望者はどのように答えるのが正解なのでしょうか。
この記事では、転職エージェントが面談を行う理由、転職希望者が面談に向けて準備すべきこと、実際の面談の様子などをご紹介します。事前に流れを知っておくことで、安心して面談に向かうことができるはずです。
目次
転職エージェントが面談を行う理由
登録時にヒアリングシートを記入しているにもかかわらず、転職エージェントが面談を行う理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
理由①信頼関係を築くため
転職エージェントが面談を行う1つ目の理由は、お互いのことをよくしり、信頼関係を築くためです。
転職エージェントは、転職希望者にマッチする求人情報を紹介し、企業と転職希望者の双方が満足できる転職を実現させることを目的としています。そのためには転職希望者のことをよく知らなくてはなりません。
転職の動機、希望する条件、スキル、企業に推薦する際の強みなどを知ることを通じて、転職希望者の人柄もよく理解し、よりよい転職につなげていきたいというのが、面談をする理由のひとつです。
何気ない雑談も、転職希望者の人柄を理解する上では大事なヒントになります。
理由②要望を把握するため
転職エージェントが面談を行う2つ目の理由は、要望を把握するためです。
転職希望者が転職エージェントを利用する理由として、効率のよさが挙げられます。
転職エージェントを利用すれば、数ある求人情報の中から希望する条件に合致するものを選んでもらうことができます。
また、マッチング率の高さも転職エージェントを利用する魅力のひとつです。
数ある求人の中から本当に転職希望者の要望に合ったものを紹介するには、要望の把握が欠かせません。
例えば、「働きやすい」と言っても、環境が整っていることを指す人もいれば、職場の人間関係がいいことを指す人、残業が少ないことを指す人とその中身はさまざまです。
転職希望者がどのようなことを新しい職場に望むのか正確に把握するために、ヒアリングシートに書かれた言葉だけでなくその背景にある考えを引き出すことが必要になります。
そのために、要望を伝えた上で改めてキャリアアドバイザーと転職希望者の面談の席が設けられるのです。
理由③希望条件をすり合わせるため
転職エージェントが転職希望者と面談をする3つ目の理由は、希望条件をすり合わせるためです。
転職先に望む条件は、いくつ提示しても構いません。遠慮して本心を隠すよりは、思っていることを正直に伝えた方がよりマッチする転職先が見つかるでしょう。
一方で、希望条件を全て満たす職場というのはなかなか見つからないのも事実です。希望条件の優先順位はどうなのか、それぞれの条件で譲れる範囲はどのあたりまでなのかと言った希望順位のすり合わせが必要になります。
募集要項などからはわからない企業の内情も理解しているキャリアアドバイザーは、あなたの適性や志向、今後のキャリアプランなどを考慮した上で紹介する求人情報を選定してきます。
キャリアアドバイザーがこれはいいのではないかと感じる求人情報でも、ぱっと見希望条件と合わない要素が多ければ転職希望者は不満に感じるでしょう。
そういった事態を防ぐためにも、前もって面談し、希望条件をすり合わせておくことが必要なのです。
転職エージェントとの面談の準備
転職エージェントと面談をするにあたり、準備するものには何があるでしょうか。
対面での面談でも、オンラインでの面談でも、基本的に準備の内容は変わりません。
履歴書・職務経歴書の準備
履歴書や職務経歴書はいつでも出せるように準備をしておきましょう。
実際に面談の時点で履歴書や職務経歴書の提出までは求めない転職エージェントもありますが、これまでの職歴や今後のキャリアプランの話をする上で、履歴書や職務経歴書に記載する内容は頭の中に入れておく必要があります。
面談場所や日時の確認
面談に遅刻は厳禁です。日時をきちんと確認しておきましょう。
対面であれば、自宅から面談場所までの経路の確認、時間に余裕を持って家を出られるように準備しておくと安心です。
オンラインであれば、面談に使うビデオ通話アプリの確認がインストールされているか、バージョンは最新のものになっているか前日のうちに確認しておきましょう。
会議の数分前に入ろうとしたら「アプリケーションを最新のものにアップデートしてください」と表示が出てアップデートが始まってしまい、会議に遅れてしまったという例が多く報告されています。
身だしなみのチェック
転職エージェントとの面談は、企業との面談ではないため、「私服でいいですよ」と言われることもあります。
企業との面談ではないとはいえ、転職の話をする大切な場面です。企業との面談の予行練習のつもりでスーツやシャツ・ジャケットといった比較的かっちりしたものを着用するのが望ましいです。
また、髪の毛はボサボサでないか、メイクが濃すぎないか、アクセサリーは派手すぎないか、にも十分注意しましょう。
ここで服装のチェックもしてもらえば、企業との面談にも安心して臨むことができます。
転職エージェントとの面談の流れ
転職エージェントとの面談の流れは、おおむね以下の通りです。
- 自己紹介をする
- これまでの経歴やスキルを伝える
- 転職理由について共有する
- 転職先の希望条件を伝える
- 求人案件を紹介してもらう
- 書類の添削
- 面接対策を受ける
- 面接や内定の手続き
5以降は面談とは別日程になる場合もあります。
今後のスケジュールについてもよく確認しておくとよいでしょう。
転職エージェントとの面談を成功に導くポイント
転職エージェントの面談を成功させ、希望に適った求人案件を紹介してもらうためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
転職時期を明確にしておく
まず、転職時期は明確にしておきましょう。
現在の職場の状況等によって入社希望時期があるはずです。
入社希望時期が2,3ヶ月後なのか、半年後なのか、もっと先なのかによって紹介できる求人も変わってきます。
とんとん拍子に採用ステップが進んだとしても、最低でも1〜2か月はかかります。
それを踏まえた上で、いつ頃新しい職場に入社したいと考えているのか、現時点での要望で構わないので伝えておきましょう。
自身のスキルや経験を棚卸しておく
社会人になってから(場合によっては学生時代のアルバイト経験も含めて)どのような仕事をして、どのような経験をしてきたのかを書き出してみましょう。
その上でどのような技術やスキルを身につけてきたのかも説明できるように準備します。
また、資格はあなたの能力や資質を客観的に評価できるものです。
資格を持っている場合は、何の資格をいつ取ったのかがわかる一覧があると便利です。
その資格が転職に役立つかどうかは時と場合にもよりますので、持っている資格は全て記載しておきましょう。
希望条件を明確にしておく
希望条件は明確にしておきましょう。
優先順位はどうか、絶対に譲れないものはどれか、ある程度譲歩できるものはどれかも明らかにしておくと、面談の席で話がスムーズに進みます。
要望ははっきり伝える
要望がある場合には、遠慮せずにはっきりと伝えましょう。
変に遠慮して要望を隠しても、希望とマッチしない求人案件ばかりが紹介されることになり、ステップが進みません。
キャリアアドバイザーも仕事ですから、明らかに無理がある要望は無理と伝えてくれるはずです。
転職エージェントとの面接でやってはいけないこと
ここまで、転職エージェントとの面談に向けて準備しておくこと、面談で伝えるべきことについてお伝えしてきました。
では、逆に転職エージェントとの面接でやってはいけないことは何かあるのでしょうか。
ここからは、やってはいけないことをお伝えします。
経歴を偽る
まず最初に、経歴を偽ることです。
高学歴だったり、有名企業で働いた経験があったり、資格をもっていたりすると有利になるかもしれないと思うこともあるでしょう。
しかし、見栄を張っても何もいいことはありません。
転職希望者の持つ経験や経歴の中から次に活かせるもの、企業にアピールする強みになるものを一緒に見つけていくのがキャリアアドバイザーの仕事です。
経歴を偽らなくても、あなたのこれまでの経歴に何かしら武器になるものがあるはずです。
経歴を偽ることは、転職エージェントにも求人を出している企業にも迷惑をかける行為です。
嘘をついているわけですから、内定取り消しや、今後求人情報を紹介してもらえないという事態になる可能性も十分にあります。
虚偽の経歴を申告するのは、絶対にやめましょう。
礼儀を欠く
何の連絡もなしに遅刻・欠席をする、キャリアアドバイザーを見下した態度を取るなどの礼儀を欠く行為も慎みましょう。
キャリアアドバイザーは、今のあなたの姿の先に紹介先の企業で働くあなたの姿を見ています。
礼儀を欠く態度を取る人物は、紹介先の企業でも上司や取引先を相手に失礼な態度を取るのではないかと思われ、求人案件を紹介してもらえなくなるかもしれません。
社会人として、また人間として最低限のマナーは守りましょう。
前職・現職の愚痴を漏らす
前職・現職の愚痴を漏らすのもやめましょう。
現職に何らかの不満があるからこそ転職を考えている、という方も多いでしょう。
しかし、「転職を考える理由を包み隠さず述べること」と、「職場への不満や愚痴を漏らすこと」は異なります。
キャリアアドバイザーがあなたの正直な気持ちを引き出すために、相槌を打って話を丁寧に聞いてくれることもあるでしょう。
聞いてくれるからといって、愚痴や不満を延々と述べられても、キャリアアドバイザーもアドバイスのしようがありません。
建設的な考えがあるわけでもなく、ただ愚痴や不満を延々と述べるようでは、キャリアアドバイザーがあなたに対して持つ印象も悪くなります。
転職を希望する理由の中に前職・現職への不満が含まれる場合には、どのようになれば受け入れられるのか、自分なりの解決策を考えておくことをおすすめします。
転職エージェントとの面談では素直な自分を出そう
ここまで、転職エージェントが面談を行う理由、転職希望者が面談に向けて準備すべきこと、実際の面談の様子などをご紹介してきました。
転職エージェントの面談は、あなたという人の持つ経歴や転職先に求める条件を知ること、あなたという人物の人柄を理解することを目的としています。
転職エージェントは、転職希望者にマッチする求人情報を紹介し、企業と転職希望者の双方が満足できる転職を実現させることを目的としているのですから、企業に求めるものを正直に伝えることを躊躇する必要はありません。
正直に希望を伝えることで、より希望にマッチした求人情報を紹介してもらいやすくなるでしょう。
正直にわかりやすく伝えるためには、面談の前に自分自身のこれまでをよく振り返っておくことが必要です。
転職活動は、自分のキャリアプラン、ライフプランを考える上でいいチャンスです。
これまでを振り返り、これからどうしていきたいのか、じっくり考えた上で面談に臨みましょう。